太陽光発電とEV

株式会社I-S3の益田と申します。

再生可能エネルギーの普及を目指しています。 普及のためには再生可能エネルギーの電源に加え、身近で最大級の蓄電池を搭載した電気自動車(EV)の普及が最重要と考え、再エネとEV充電を軸に活動しております。

そもそも、なぜ私たちが再生可能エネルギーの中でも特に太陽光発電に注力しており、その太陽光発電との組み合わせでEV充電に着目しているのかというお話です。

先ず、世の中では太陽光発電に関して賛否両論色々ありますが、基本的な事柄を踏まえると概ねメリットしかないことがわかります。反対派の方々が論拠として持ち出すデメリットも本当はデメリットではなかったり、冷静に数字を吟味すると寧ろ従来の他の方法よりも優れていたりするので注意が必要です。


先ずは、太陽光パネルでの発電の話に入る前に、もっと大きな枠組みで太陽光のエネルギーを用いた発電の話をします。実は、我々が日常使う電力の大半は大昔から太陽光で供給されるエネルギーを用いています。厳密にいうと原子力発電と地熱発電以外は全て太陽光で地表に供給されるエネルギーを用いた発電方式です。化石燃料も大昔に太陽の光を受けて成長し、活動した生物の死骸ですので、太陽光のエネルギーを貯蔵しているに過ぎません。水力も同様で、水がダムなどに蓄えられて位置エネルギーを持つのは太陽光により加熱されるからに他なりません。

その様に考えてみたとき、太陽光パネルの変換効率はたったの20%と言えるでしょうか?(20%程度というのは単純に事実です。)

例えば、その20%の効率で日本の標準的な気候で発電するとどのくらいの電力が得られるでしょうか?

例えば300Wpの今時の太陽光パネルを考えると、その一枚だけで年間でおよそ300kWhの電力を得ることが出来ます。300kWhはEVで1500km走ることができる電力です。

一年間、パネルのない地面に光を当てると同等の量のガソリンが得られるでしょうか?雑草が生えるにしても、そのバイオマスで火力発電したとしてそれほど走ることができるでしょうか?恐らく無理だと思います。何故なら、パネル一枚分の面積はたったの1.6m2程度だからです。もちろん、今後の技術革新により太陽光パネルの効率はもっと良くなるでしょう。しかし、現状においても太陽からのエネルギーを相当効率よく電気に変換できる方法であるという点はご理解いただけると思います。

そんな太陽光発電のデメリットとしてよく語られるのが、「天気の良い昼間にしか発電しないではないか?」というご指摘です。これに関しては、太陽光を受けて電気に変換するという基本的な機能を考えればそれ自体は事実です。しばしば、この”欠点”により安定に供給しなければならない電力系統の主要電源として不適格であるという論が展開されます。もちろん、現状で他の要素が変わらないままで、明日突然、太陽光発電が主要電源になると確かに電力系統が不安定になり社会生活に大きな影響を与えるでしょう。しかし、現実はもっとゆっくりと進みます。

蓄電池の普及です。近年、EVに限らず、家電から工具まで様々な分野で大容量のリチウムイオン電池の普及が進んでいます。2019年には旭化成の吉野彰博士がノーベル化学賞を受賞したのも記憶に新しいところです。その年に、化学の分野で最も人類の発展に貢献したと認められたということですので、リチウムイオン電池が如何に期待されているかがわかると思います。

もちろん、現状では価格が高いことや資源の問題もあります。それらの問題がそう簡単には解決しないので大容量のリチウムイオンの普及は思うほど進まないと主張される人もいます。もちろん、未来は不確定なので完璧に予想することはできませんが、本当にそうなのでしょうか?

EVには数10kWhから100kWh程度のリチウムイオン電池が搭載されます。世界各国で将来的に内燃機関車の禁止がアナウンスされていてEVシフトが進んでいます。自動車を製造もしている会社の中で時価総額が最大なのはTeslaです。日本でも世界の潮流には逆らえずLEXUSがEV専業ブランドになるとアナウンスされています。そうなると将来的には日本国内だけで数千万台のEVが走ることになるのではないでしょうか?それに合わせて世界中で蓄電池が大量に生産され家庭用や系統電力用の蓄電池の普及も進むことでしょう。そうなってくると発電の安定性が系統電力の安定性を担保するという枠組み自体が崩れて、社会に分散して存在する蓄電池への充放電が系統の安定性を担保する主体になるでしょう。

そんな世の中にシフトしていくために必要なことが、電力の元である太陽光発電の普及と蓄電先であるEVの普及であると考えています。EVの普及に対して、私たちは家庭や職場や商業施設などへの普通充電器の設置を通して貢献しようと考えています。



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